飛行機嫌いの飛行機物語

私は飛行機が嫌いだ。嫌いというよりは恐ろしいのである。物理学を専攻したにもかかわらず、重量が何トンもする金属の塊が空に浮くのが理屈で理解できても感覚的に理解できない。その内落下するのではないかとの不安に駆られるのである。これも理屈ではないがプロペラ機とジェット機とを比べると未だプロペラ機のほうが気が休む。ジェット機はトラブルが起こったら一瞬にして粉々に飛散してしまうのではと何となく考えてしまうのである。一生飛行機に乗らないでおこうと思っていた私が数百回も飛行機に乗る羽目になるとは思ってもいなかった。就職して初めて海外出張を命じられたときはストレスのため1ヶ月以上前から胃が痛みだし寝苦しい日が続いた。気にしていると変なもので飛行機事故の夢も何回も見た。その夢で見た画面はいまでたっても脳裏に残っていて思い出そうとすればいつでも思い浮かべることができるのだ。今でも私は最終的に飛行機事故で命を落とすのではないかと思っている。さてこんな私が経験した飛行機の話をまとめてみることにした。

初めての飛行、アトランタ上空でのトラブル、ボロクソノイラン航空、デリー・ラホール間のYS11, グランドキャニオンのプロペラ機、カジュラホからの特別機、乗客ただ一人のノースウエスト機、突然中国語で話しかけてきたキャビンアテンダント、カトマンズのマウンテンフライト、ハワイ島の観光セスナ機、

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